初めての海外一人旅(香港)〈Part 8〉 ― セブンイレブンを目指して

こんにちは!『新宿御苑 英語個別学院』代表の鈴木です。今回は、香港での安ホテルの滞在初日の夜、空腹に堪えられなくなってひと駅先にあるセブンイレブンを目指して歩いている時の出来事をお伝えします。
前回までのブログで、ホテルのフロントの方と仲良くなり、いろいろと情報を教えてもらったことをお話ししましたが、今回はその続きです。

まさかのカルチャーショック

ネイザンロードは南北にまっすぐ伸びた大通りで、道に迷う心配はありません。両側には商店が並んでいますが、深夜なのでお店はすべて閉まっています。

6月の香港は夜でも東京の真夏以上暑さで、湿気は東京の比ではありません。そんな中、私はひと駅先の尖沙咀にあるセブンイレブンを目指して歩き始めました。

途中、私はちょっとした不思議な光景に出くわしました。人気のない商店街を歩いていると、閉まっているはずの店から冷たい風が勢いよく漏れ出してくるのです。

お店の電気は消えていて、格子状のシャッターは閉じられているのに、なぜか中のガラスドアは開けっぱなしで、エアコンが全開…。

人がいない店内で冷房が無駄に稼働しているなんて、私の常識では考えられませんでした。

「あれ、これは何だ?」と驚きながらも、その涼しさに少し助けられました。しばらくそのお店の前で涼んだあと、再び歩き出すと、数軒先にも、同じようにエアコンが全開のお店が。

「何なんだこの国は? これが香港の文化なのか?」 日本では考えられないエネルギーの使い方に、驚きを隠せませんでした。

後に香港で知り合った友人にこの話をすると、「香港は観光の国。夜景が売りだから、電気代がタダ同然に安く設定されているんだよ」と教えてくれました。

考えてみれば、百万ドルの夜景も、電気代が高ければみんな消してしまいますよね。

当時、日本では頻繁に節電が呼びかけられていて、テレビコマーシャルに東京電力の「でんこちゃん」がジャン!と登場して「電気はこまめに消しましょう!」と言っていました。

日本での節電意識との違いに、またひとつカルチャーショックを受けました。同じ地球上でここまで変わるのかと。

怪しい誘い

ネイザンロードをひたすら南下して、ようやくにぎやかな尖沙咀の繁華街に到着しました。夜遅い時間帯にもかかわらず、街は人で溢れていて、まるで昼間のように活気がありました。

まばゆいネオンが交差し、行き交う車と人々の音が耳に残る。まるで別世界に来たような感覚です。

でも、そんな賑やかな場所に来ても、肝心のセブンイレブンはどこにも見当たりません。ここまで歩いてきたのに、なぜ見つからないのか。焦りが募ります。

その時、不意に後ろから声をかけられました。「フィリピン女、フィリピン女、見るだけタダよ」。これ日本語です。不自然に親しげな声の主は、いわゆるポン引きの兄ちゃんでした。

最初は「嫌なヤツが来たな」と思って無視しようと考えたのですが、すぐに「これは天の助けかも知れない」という考えが浮かびました。

「セブンイレブンがどこにあるか知ってる?」と尋ねてみると、「セブンイレブン? ああ、案内してあげるよ」と笑顔で答えてくれました。

警戒する気持ちはありましたが、もう空腹に耐えられない状態だったので、彼の案内に従うことにしました。

セブンイレブン、ついに発見

男の後を追いかけ、繁華街から少し離れた場所へ向かいました。正直言って、脇道に入ったときは心臓がバクバクしていました。

「このままどこか怪しいところに連れて行かれるのではないか」という不安がよぎり「何かあったら走って逃げよう」と心に決めます。

でも、数分歩いたところで、ようやくセブンイレブンの看板が目に入りました。彼はちゃんと私をセブンイレブンに案内してくれたのでした。ようやく目的地にたどり着いたのです。

セブンイレブンに入ると、店内は思った以上に広く、日本では見られないさまざまな商品が並んでいました。私はサンドイッチと飲み物を手に取り、会計を済ませました。

店を出た瞬間、ようやく空腹から解放されたという安堵感に包まれました。お腹が満たされると、次第に身体の緊張もほぐれ、あれほど怖かった夜の香港の街も、少しだけ穏やかに見えてきました。

 

 

次回は、生薬の買い付けが一筋縄ではいかない事態に、、、 香港で直面する予想外の展開とは?

次のエピソードもどうぞお楽しみに!

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