前回までで、格闘していた大量の荷物問題も何とか一段落。そこで、旅の疲れを癒やし、さらに冒険を広げるべく、マカオへ足を伸ばしてみることにしました。どんな新しい発見や驚きの光景が待っているのでしょうか?
荷造りとの格闘を終えて
アメリカン航空で教えてもらった情報を駆使して、悪戦苦闘の末、何とか荷造りを終えることができました。チェックインするスーツケースは30kg、機内持ち込みバッグは20kgが2個。
このバランスを取るため、荷物の重さを調整しながら、何度も入れ替えたり工夫を重ね、ようやく荷物がまとまりました。
マカオへ!
まだ帰国までに数日残っていたので、その間にマカオへ足を伸ばそうと計画を立てました。『地球の歩き方』によれば、マカオは香港の人々が静かなリゾート地として訪れる場所であり、荷造りに疲れた身体を癒やすには絶好のスポットに違いないと思い、期待が高まりました。
中国大陸本土南海岸に突き出たマカオ半島と、沖合にあるタイパ島とコロアネ島2つの島で構成されていました。その後、この2つの島の間は埋め立てられて全体がひとつの島のようになったそうですが、私が行ったときは2つの島でした。
マカオ行きのフェリー
マカオへは香港から高速フェリーで約1時間。たっぷり詰め込んだ漢方薬はホテルに預け、身軽に船に乗り込んでいざ出発です。フェリーが進むと、遠くに美しい橋が見えてきました。それが「カルヴァーリョ総督大橋」です。
マカオ本土とタイパ島を結ぶ全長1380メートルの壮大な橋で、その中央部分が下を通る船のために高くなっている姿は、何とも言い表せない美しさ。橋のデザインが空と海に映えて、まるで壮大な絵画を見ているような気分になりました。
マカオ到着!
マカオに到着すると、予想外のタイミングで荷物チェックがありました。「なぜ下船時に荷物チェックがあるのだろう?」と思ったのですが、よく考えれば当時のマカオはまだポルトガル領であり、香港からの移動でも入国審査が必要だったのです。
思いがけない入国審査に驚きつつも、ついにマカオの地に足を踏み入れた瞬間、ワクワクした気持ちが湧き上がりました。
竹の足場とレンガ造りの高層ビル
マカオに着いてまずは予約していたホテルにチェックイン。香港で泊まったホテルとは違い、とても清潔で高級感があり、素晴らしい眺めも楽しめました。
窓から外を眺めると、建設中のビルが目に入りましたが、よく見るとその足場がなんと竹でできているではありませんか! しかも、労働者たちはひたすらレンガを積み上げているだけ。現代建築に一般的に使われる鉄筋が一切使われておらず、竹の足場にレンガだけで高層ビルが建設されている光景は目を疑うほどの驚きでした。
地震がない地域だからこそ、こうした建築ができるのだと感じました。
自然の静けさに包まれたタイパ島
ホテルのフロントで「タイパ島への無料シャトルバスがすぐ出ますが、どうですか?」と突然提案され、何も考えずに「はい!」と返事をしていました。そのままバスに乗り込みます。
期待に胸を膨らませながら他の乗客を待っていましたが、なんと乗客は私一人だけ。少し拍子抜けしましたが、バスは出発し、さっき船から見たカルヴァーリョ総督大橋を渡っていきました。
海からの眺めはあんなに美しかった橋がバスで走ると道はガタガタで、見た目の美しさとのギャップで少し残念な気持ちになりました。
タイパ島に着いたバスが止まった場所は見渡す限りの森林公園で、香港の喧騒とは真逆の、穏やかで自然豊かな空間が広がっていました。緑に包まれたこの場所で、私は予想外の驚きの光景を目にしました。
一本の木に少なくとも100匹以上の大きなクマゼミがびっしりと群がり、その鳴き声は耳をつんざくような迫力で、まさに迫り来る音の壁。
面白かったのは、木に近づくとセミが一斉に鳴き止むことです。逆に離れるとまた一斉に鳴き始める。その統一感があまりに見事だったので、遊び心が沸き起こり、セミが鳴き止むと離れ、鳴き出すと近づきをくり返して、その不思議なコミュニケーションを楽しみました。
マカオの旅は、香港とはまた異なる静けさと自然の美しさに満ちていました。特にこのタイパ島では、非日常的なリラックスしたひとときを過ごしました。
次回は、マカオ市街地で見つけた異国情緒あふれる場所や、さらなる発見をお届けします!
お楽しみに!
コメント