これまで、買い付けた漢方薬が100kg以上も届いて途方に暮れていた私ですが、何とかこの危機を乗り越えようと情報収集に奔走する4日目の一日をご紹介します。果たしてどうなるのでしょうか?
途方に暮れるホテルの部屋
買い付けた漢方薬の荷物がホテルに届いてから、私は狭い部屋で黙々と作業を続けていましたが、次第に煮詰まってきました。部屋に積み上げられた山のようなダンボール、そしてその中身を一つ一つビニール袋に詰め替える作業……。
重さは100kg以上! 当然、一人ではとても運び出せないし、飛行機に乗せることも難しい。どうすれば日本に持ち帰れるのか、途方に暮れてしまいました。
その時ふと頭に浮かんだのは「郵送」という選択肢。しかし、郵送するにしてもどれくらいの費用がかかるのか、どうやって調べたらいいのか皆目見当がつきません。
思えばこの頃、インターネットはまだ普及しておらず、スマホもない時代。調べるには足を使うしかありません。
航空会社の事務所で
まず、ユナイテッド航空に電話をかけてみました。帰りの便でどれだけ荷物を持ち込めるのか確認したかったのですが、何度電話しても繋がりません。いてもたってもいられなくなって、「仕方ない、もう行くしかない!」と、ユナイテッド航空の事務所に行ってみることにしました。
到着すると、航空会社の女性スタッフが親切に対応してくれました。チェックインする荷物は25kgまで、機内持ち込みは重さに関係なくサイズで1個だけOKということが判明。他の航空会社では20kgまでと聞いていたので、5kg多く持ち込めるのはありがたい限りです。
しかし、問題はここからでした。オーバーチャージ、つまり規定を超えた荷物の追加料金についても確認しましたが、その料金が恐ろしいほど高いことが判明! 1kgあたりファーストクラスの料金の何パーセントかを支払わなければならないとのことで、その金額が想像を遥かに超えるものでした。
購入した飛行機のチケットよりもはるかに高くなる可能性があると知ったとき、背筋が凍りました。
考えた結果、軽いものはスーツケースに入れてチェックイン用にし、重たいものは機内持ち込み用のバッグに入れるという作戦を立てました。
ところが、どれだけ対策を考えても心細さは消えません。どうしても荷物のことが気になるし、まだ解決策が見つかっていない状態では、観光どころではないと感じ始めました。
それでもせっかくの香港、少しは観光したいと思い、ホテルのフロントに置いてあったパンフレットを手に取りました。すると、日本人向けの半日ツアーがあることがわかり、翌日の午後のツアーに申し込みました。
本来は個人旅行派の私ですが、この状況ではとにかく効率よく香港を楽しむしかないと考えたのです。
荷物との格闘
ツアーを申し込んだ後、部屋に戻って再び荷物の整理に取りかかりました。瓶に入っていた漢方薬の錠剤をすべてビニール袋に移し終えましたが、これで終わりではありません。
今度は重さを確認するために、ホテルのスタッフに秤を借りたいとお願いすると、バネ式の手秤を貸してくれました。実物を手にするのは初めてで、まるで昔のちり紙交換で使っていたような古風な道具です。
測ってみると、全部で70kg。最初の100kg超えからはずいぶん軽くなりましたが、それでも規定の荷物重量からは大幅にオーバーしています。ちなみに私自身の体重が60kgだったので、自分より重たい荷物をどうやって持ち帰るのかと不安が募るばかりです。
さらに絶望の瞬間
ホテル近くでいい感じの大きなバッグを見つけて購入し、再度荷物を詰め直しました。しかし、重さを量ろうと持ち上げた瞬間、「プチン!」と持ち手が切れてしまいました。まるで私の希望が一緒に切れたかのようで、その場で呆然と立ち尽くしました。
この先どうやって日本に帰るのか、まだまだ問題は山積みですが、とにかく何とかしなくては。
次回、さらなるピンチとその後の展開をお楽しみに!
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