前日に両替も済ませ、準備万端。さあ、どんな一日になるのでしょうか。
予想外の雨
朝、雨の音で目が覚めました。それも相当強く降っている音です。
昨日の窓のない部屋では、雨には気づけなかったかもしれません。窓があるってやっぱりいいものだと実感しました。開けてみると、かなり強い雨が降っていました。
大事な買い付けの日にこんな大雨なんて! この雨で時間が取られてしまい、予定が狂ってしまうかもしれない。傘は持っていません。どうにかしてこの状況を打開しなければ。困ったなと思いながらフロントに向かいます。
天気予報などまったく見ていなかったし、今のようにスマホなどない時代。リアルタイムの降雨情報など考えられない時代です。とりあえず何か情報をもらおうと行ってみました。
昨日対応してくれた女性スタッフに質問です。「雨はいつごろやむと思いますか?」
すると、そのスタッフはちょっとビックリした表情をしたかと思った次の瞬間、笑顔で答えが返ってきました。「もう止んでますよ!」
「えっ?」と思わず口から出ました。小さなホテルですから、部屋からフロントまでほんの1分。それなのに、さっきまで激しく降っていた雨がもう止んでいるなんて、信じられませんでした。キツネにつままれたような気分です。
外を見ると、まるで魔法がかかったかのように、雨はピタリと止んでいました。
「香港ではこういう雨はよくあるんですか?」と聞くと、「香港ではどんな種類の雨も降ります」との答えでした。香港は狭いエリアでも急激に天候が変わることがよくあるようです。
漢方薬の問屋さんへ
泊まっているホテル最寄の佐敦(Jordan)駅から地下鉄に乗って香港島にある問屋さんを目指します。この地下鉄には昨日乗ったので、気分は楽です。
香港島の北側にある問屋さんの最寄り駅で地下鉄を降りて、先生から渡されたメモをたよりにお店を探します。路地を抜けると古びた看板が目に入り、「ここだ!」と胸を撫で下ろしました。
お店の外から見ても、中に入っても、昔ながらの漢方問屋さんという感じです。所狭しといろんな漢方薬が置かれていました。
従業員の方は何人かいたのですが、英語が通じる人は30代ぐらいのひとりだけ。昨日の電話で、今日来てくれと言われた理由がわかった気がしました。この人以外とは仕事レベルの意思の疎通はまったく図れないように思えました。
とりあえず仕事をいただいた先生の名刺を渡してご挨拶。そして、先生からあずかったリストを渡します。そのリストには見たこともない漢字が並んでおり、何が何だかわからなかったのですが、すぐに対応してくれました。
そして、「明日、ホテルに運ぶから、場所を教えてくれ」と言われました。
仕入れた荷物は自分で持って帰るつもりだったので、予想外の提案に一瞬戸惑いました。「えっ、どうしよう?」自分で持って帰るつもりだったけれど、ホテルまで届けてくれるという申し出に心が揺れ動きました。
安心したい気持ちと、自分で最後までやり遂げたいという想いが交錯し、一瞬どうすればいいのか分からなくなりました。
確実に受け取りたかったし、受け取った漢方薬をホテルに運んだあとは仕事を終えた解放感を味わいながらすぐにこの刺激的な街を歩き回りたいと思っていたのです。
私が「自分で持って帰ります」と言っても、「いや、ホテルまで運びますから」と譲りません。先生が信頼しているお店だから大丈夫だろうと思い、結局お願いすることにしました。ただ、明日の午前中に届けてもらえるようにお願いしました。
注文がスムーズに終わり、ホッと一息。これで気持ちよく街へ出られます。新たな冒険が待っている気がして、胸が高鳴りながら街へと飛び出しました。
次は一体何が待っているのか、期待せずにはいられません。
次回もお楽しみに!
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